[100kmウォーク]完歩するためのペースと練習方法を詳しく解説!

ウォーキング

こんにちはヤスダです

ヤスダ
ヤスダ

練習あるのみ!

今回は100kmウォークの練習方法について。

皆さんのまわりに100kmを1日で歩いたことがある方は何人おられますか?

僕の周りには3人います。

それは一緒に大会に参加した、父、兄、奥さんです。

また、残念ながら知り合いの中に途中でリタイアした方が二人おられます。

さて、この両者の違いは何だったのでしょう?

100kmという距離は途方もない距離ですが練習をすれば誰でも完歩できる距離です。

ただ、練習なしで飛び込んで完歩できるような距離ではないことも事実ですし、69歳の父が完歩できたのも練習があったからです。

今回は100km初参加で完歩した僕が実際に行った練習方法について解説します。

これから100kmウォークに挑戦しようとしている方には参考になると思いますの是非最後まで読んでみて下さいね!

それではいってみましょう!

目次

ペース

時速

100kmという距離を歩き切るためには一定のペースで歩き続けることが大切です。

ペースを無視してただ闇雲に歩き続けると「あと何時間歩けば次のチェックポイントに着くか」「このペースで歩いて本当に間に合うのか」などの精神的な不安が常に付きまとうことになり、どうしても歩行速度が早くなってしまいます。

歩行速度が早くなると、徐々に足への負担が大きくなり中盤から後半にかけて極端なペースダウンに繋がったり、最悪の場合は歩行困難になりリタイアせざるを得ない状態(僕が参加した大会ではゴール目前の99km地点でリタイアされた方もおられました)になることもあります。

精神的にも身体的にもこのペースというものを中心軸にもっておくことが、無事にゴールするための唯一の方法と言ってもいいかもしれません。

ペースの考え方

例えば100kmを26時間でゴールをしようとするなら、100÷26で時速3.8km程度で歩けばちょうど間に合う計算になりますが実際はそう単純ではなく、チェックポイントに立ち寄る時間、休憩時間の他にトイレや信号待ちなどの前進していない時間も加味する必用があります。

特に盲点になりがちなのが信号待ちです。

参加する大会によって大きくタイムに差が出るのがこの信号待ちの時間で、都会の街中を歩くようなコースでは100mに一つのペースで信号に遭遇することもあるので、引っかかり始めるとかなりのロスタイムになります。

実際、私の父のタイムを見ると分かりやすですが関西エクストリームウォーク100では25時間半ほどかかったタイムが、翌年の琵琶湖一周ウルトラウォーク(100km)では20時間33分でゴールしていました。

もちろん信号だけの問題ではなく、休憩の時間を縮めたりたり、ペースを早めたりと複合要素によるものではありますが、信号だらけの市街地を歩くのと、めったに信号に出くわさない琵琶湖の湖周道路を歩くのとでは大きく違うと本人が言っていました。

また、信号だけではなく何があるかわからないので制限時間ギリギリで計画を立てるのではなく、制限時間(もしくは目標タイム)から1時間もしくはそれ以上差し引いた時間でペース配分をすることが理想的です。

この1時間を「貯金の1時間」として、何かあった時や極端にペースが落ちた時のためにストックしておきます。

100kmペース例

休憩するタイミングや分数、回数は事前に決めておくと歩行ペースの計算がしやすくなります。

例えば僕が参加した関西エクストリームウォーク100の場合はこのように計画をたてました。

5ヶ所のチェックポイント(CP)があるので各CPごとに15分の休憩(15分×5回)、そしてCPとCPの間に5分(5分×5回)の小休憩を挟みます。

また、休憩以外の立ち止まる時間(信号待ち、トイレ等)をトータル1時間30分とするとこのような結果になります。

休憩時間/回数合計時間
チェックポイント+休憩15分×5回1時間15分
小休憩 5分×5回25分
その他(信号待ち・トイレなど )トータル1時間30分
3時間10分

上記にスケジュールで進めると休憩やその他の前進していない時間の合計が3時間10分となりました。

制限時間(26時間) − 貯金(1時間)=25時間から先ほどの3時間10分を差し引くと歩行時間は21時間50分となります。

その歩行時間で平均歩行速度を計算すると100km÷21時間50分で時速約4.6kmという計算になりました。

+α

ただ、先ほどの計算で出た数字はあくまでも予定通り動けた場合のペースですので、実際そのように歩き続けられるかどうかは状況によって変化します。

15分の休憩が20分になってしまったり、トイレがすごく混んでいるなど予定との誤差の積み重ねが結構なロスタイムになり、貯金の1時間を簡単に消費してしまいます。

また、僕が奥さんと一緒に歩いたように(父、兄とは別で歩きました)単独ではなくペアやグループで参加する場合は各自トイレに行くタイミングの違いやトラブル等で立ち止まる時間は更に増えますので、もう少しペースを上げるか貯金の時間を増やす必用があります。

僕の場合はペースを0.4kmアップして平均歩行速度を時速5kmにすることにしました。

リクガメの歩行速度が時速0.5km程度と言われていますので、たった時速0.4kmアップしただけでは大して変わらないような気がしますが、100kmを歩くのに時速4.6kmで21時間50分かかっていたものが時速5kmになっただけで20時間ちょうどになり1時間50分も早く着く計算になります。

すなわち貯金の1時間にプラス1時間50分が増えて計2時間50分の余裕が生まれることになります。

歩行ペースまとめ

少しややこしくなったので一旦まとめると

  1. 制限時間(もしくは目標タイム)から1時間を差し引いて貯金の1時間をストックしておく(貯金なので出来るだけ使わずにゴールできる事が望ましい)
  2. 休憩するタイミングや分数、回数を事前に決めておく(前進していない時間①)
  3. トイレや信号待ちなどの立ち止まる時間も加味しておく(前進していない時間②)
  4. 制限時間 ー (前進していない時間①②+貯金の1時間)=歩行時間
  5. 100km ÷ 歩行時間で平均速度を算出する
  6. 複数人で参加する予定がある方は平均速度を上げるか、貯金の時間を増やして計算する

歩くことの重要性

歩く

長距離を歩くために最も効果的な練習方法は歩くことです。

当たり前じゃないか!と言われそうな気もしますが、意外と歩くことを後回しにして「正しい歩き方」や「疲れない歩行技術」など文字や動画で学ぼうとしがちです(こうやって文字を書いている身としては微妙な気持ちですが)

もちろん長い距離を歩く為にはそれなりの「歩き方」というものはありますが、それ以前にまずは中距離程度を歩いてみて体のどの部分が疲れ、どこが痛くなるのかを知ることが練習開始の一丁目一番地になります。

そこから疲れや痛みの対策を模索しながら「歩いて確認」の繰り返しをしていくことで自分に合った歩き方を見つけることができるのです。

僕が参加した第一回関西エクストリームウォーク100の完歩率は75.9%と思ったよりも高かった印象ですが、逆の見方をすれば24%、つまり参加者の約1/4がリタイアしたことになります。

また、制限時間をオーバーしてゴールされている方も完歩率に含まれていますので、制限時間内での完歩率はもっと低いことになります。

リタイアされた方のSNSを見ると、多くの方が共通して練習不足によるものだとおっしゃっておられました。

私感ではありますが、40〜50kmであれば気力と根性で何とか歩き切ることは可能ですが、それ以上の距離を練習なしで歩ける方はかなり少ないと思います。

歩く練習は歩くこと」を口癖に、是非歩きながら少しづつ長い距離を歩けるように調整してみて下さい!

また、長距離を歩く為にはできるだけ不要な物を持ち歩かず身軽に歩く事が重要です。

その点もまとめてみましたので、こちらも参考にしてみて下さい。


タイムを競うのは無意味?

余談になりますが「100kmウォーク」を一括ひとくくりにしてタイムを競っておられる方を見かけますが、いささか疑問に思う事があります。

例えば14時間でゴールした方を見ると凄いとは思いますが、大会によって同じペースで歩いていたとしてもタイムは大きく変わりますので正直何のあてにもなりません。

先述しましたが、歩行速度をたった時速0.4km上げるだけで100km先では約2時間も早く到着できるのがこの100kmウォークです。

1000人が参加し、信号だらけの街中を歩く大会もあれば、200〜300人しか参加せず信号にほとんど出くわすことなく進み続けられる大会もあります。

距離だけを見れば同じ100kmですが、はたして両者は同じだといえるでしょうか?

同じ大会に出続け、自分自身のタイムを更新することに関しては意味のあることだと思いますが、別大会のタイム競争は無意味といって良いと思います。

それよりも制限時間は意識しながらも、景色や大会の雰囲気などを楽しむことの方が重要だと僕は考えます。

アプリの活用

アプリケーション

スマホアプリをフルに活用して練習すると効率的です。

僕自身も練習をするために役立ちそうなアプリを片っ端からダウンロードしてみましたが、結局最後まで使ったのは2つだけでしたのでその2つをご紹介したいと思います。

距離計測系

僕の場合、50kmを歩いてみようとした時にまず始めに困ったのがどのルートで歩けば50kmになるの?ということでした。

Google Mapで大きな道を繋いでだいたいのルートを見つけることは出来ても実際にそのルートの距離を測ることは難しくあくまでもざっくりとしか解りませんでした。

でもこのアプリを使うと地図上の道を細かく点で繋ぎながら距離を測ることが出来ますので国道や市道などを繋ぎながら目的の距離になるようにルートを描くことができます。

また、同じアプリを持っている方とルートをシェア出来ますので、説明の必要がある場合は重宝します。

アプリの設定で自身の年齢、性別、体重、歩行ペースを入力しておくとその距離を歩くことでどれぐらのカロリーを消費するかが数字と食べ物(おにぎり/160kcal、ビール/196kcal、マシマシラーメン1600kcalなどなど)で表示されるもの面白い機能です。

もちろん無料です!

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歩行ペース系

ご自身が計算した歩行ペース(まだの方はもう一度こちらから計算して下さい)を理解したうえで実際に歩いていきますが、せっかく自身の歩行ペースが分かってもいちいち時計を見ながら計算するのは面倒ですので歩行アプリなどを活用すると便利です。

僕の歩行ペースである時速5kmは1km/12分ですので、1km/毎に把握できるアプリがあれば常に自身のペースがわかるので調整がしやすくなります。

僕が活用しているアプリは距離ごとや時間ごとのペースをリアルタイムで画面、もしくは音声で教えてくれるのでいちいちスマホを取り出す必要が無く便利です。
*信号や休憩時は都度アプリを停止しないと歩行状態のままになってしまうため正確な時間が測れません

僕は速度を1km/毎に音声でアナウンスしてくれる設定にしているのでイヤホンで音声を聴きながら速度調整をしています。

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練習方法

歩く人

だだ闇雲に歩いても仕方がないので実際に僕がやっていた練習を前半、中盤、後半に分けてご説明します。

100%取り入れる必要はありませんが、実際100kmを歩た後でもこの練習方法は間違っていなかったと思っていますので参考になれば幸いです。

練習前半

いきなり長い距離を歩くと負担が大きいので、普段全く歩かない方は1〜2kmぐらいから、仕事でよく歩く方や普段軽い運動をする方は5kmぐらいから始め、5km〜10kmが無理なく歩けるようにしましょう。

この運動を週一回とかではなく、3日に一回、もしくは2日に一回のペースでコンスタントにおこなっていきます。

この運動が本番までの基本トレーニングになり、コンスタントに行うことで歩くための筋肉が徐々に鍛えられ、自分が設定した歩行速度で歩く癖が付いていきます。

僕の場合は通勤の片道5km(往復10km)を雨の日以外は基本的には毎日歩いていましたし、大会後の現在も続けています。

練習中盤

5km〜10kmの距離をコンスタントに歩けるようになったタイミングで本番の半分の距離に当たる50kmを歩いてみて下さい。

50kmを歩く為には時速5kmで歩いても10時間(休憩等を含めて11時間程度)かかりますので必然的に早朝〜夕方にかけて、もしくは夜〜早朝にかけて歩くことになりますが、出来ればオーバーナイト(夜から朝にかけて)で歩いてみることをおすすめします。

オーバーナイトをおすすめする理由は、本番の100kmでは夜通し徹夜で歩くことになり「眠気」と戦うことになるからです。

この眠気からくる負担は想像以上に大きく、ペースダウンはもちろん精神的にもかなりこたえます。

実際にこの眠気に耐えることが出来ずにリタイアされる方がけこうおられます。

そんな眠気の負担がどんなものか、また、本番の半分の距離がどれぐらいかを知るうえで50kmのオーバーナイトウォークは絶対にしておいた方が良いでしょう。

ただ、ルートにもよりますが夜道を一人で歩くの危険ですので可能であれば一緒に歩いてくれる人を見つけるか、どうしても一人で歩かなければならない時は可能な限り街明かりのある大きな道をメインにルート作りをしましょう。

またヘッドランプは必須ですので、お持ちでない場合は必ず用意するようにしましょう。

ヘッドランプ選びについてはこちらが参考になります。

そして恐らく50kmを歩くと今まで歩いてきた5km〜10kmの時とは比べ物ならないぐらいにネガティブな変化が体に現れます。

  • 足に水脹みず ぶくれやマメができる
  • 激しい関節痛や筋肉痛
  • 眠くて歩くのが辛い
  • この距離の倍を歩くなんて絶対無理!という精神的不安

でもこれが50kmを歩く狙いであり、歩かないと分からない最大の収穫でもあります。

負担収穫
足に水脹れやマメができる水脹れができやすい部分が分かったのでピンポイントでテーピング対策ができる
激しい関節痛や筋肉痛痛くなる部分が分かったので歩き方の改善やペースの見直しができる
眠くて歩くのが辛い眠気対策の必要性を知れ、何時頃に眠くなるのかが分かる
この距離の倍を歩くなんて絶対無理!という精神的不安痛みや眠気の対策が出来ればもっと歩けるという期待値が上がる

長い距離を歩いて分かったこと

僕は普段の徒歩通勤に加えて歩けるタイミングを見計らいながら40km、50km、71kmと徐々に距離を伸ばしながら長い距離のオーバーナイトウォークを3回歩きました。

距離日時結果
44km9月3日〜4日意気消沈いきしょうちん
50km9月17日〜18日身も心もズダボロ
71km10月1日〜2日後半はほぼゾンビ(笑)

対策と調整を繰り返しながら距離を伸ばして歩きましたが、毎回終わった時はズタボロの状態でした。

でもその中で共通して言えることは50km地点をゴールに定めて歩く50kmと70km地点をゴールに定めて歩く「通過地点の50km」では疲れ方が違うということです。

不思議なことにあんだけ辛かった50kmという距離が70km地点をゴールに定めて歩いている時にはそこまで辛いとは感じませんでした。

それは本番の100kmでも同じで、練習で辛かった70kmが100kmを目指す中ではそこまで辛いと感じることなく通過しました。

これは体感的な問題ではありますが、肉体的な疲労は距離に比例して蓄積されますが精神的な辛さは距離とはあまり関係ないということです。

練習中盤のところでも書いた「この距離の倍を歩くなんて絶対無理!」という精神的な不安に関してのアドバイスは、40kmでも50kmでも70kmでも距離とは関係なくどれでも後半は精神的に辛いでが、それよりも長い距離を見据える中での通過地点になってしまえばそこまで辛くないので大丈夫ですよ!ということです。

練習後半

練習後半は本番も控えていますので無理は禁物です。

前半〜中盤の練習である程度の筋力と自分に合った歩き方や歩行ペースが身についているのであまり長い距離を歩くのではなく、10km〜13kmの距離を意識的に歩くことにシフトしていきます。

なぜ10km〜13kmかというと、全国様々な所で100kmウォークの大会が行われますが、どの大会も各チェックポイントの間隔が大体10km〜25kmの場合が多いためです。

10km〜13kmを1セットとして慣れておくとでチェックポイントの間隔が10km前後の場合はのいつもの1セットとして歩き、25km前後の場合は1セットを歩いたら一旦休憩してから2セット目を歩くというように気持ちの切り変えがしやすいからです。

100ペース例で書いた僕の計画でもチェックポイントとチェックポイントの間に5分休憩を入れているのはこのためで、遥か先のゴール地点を見ると辛くなりますので、10km〜13kmをベースに次のチェックポイントのみに意識を集中して、チェックポイントとチェックポイントを点で繋ぐイメージで前へ進むと楽に歩くことができます。

練習方法まとめ

  • 練習前はペースを意識しながら5〜10kmをコンスタントに歩く(3日に1回、2日に1回ぐらいのペース)
  • 練習中盤は50kmをオーバーナイトで歩いてネガティブな反応が出る部分を知る
  • 長い距離を見据えることで練習で辛かった距離はそこまで辛くない
  • 肉体的な疲労は距離に比例するが、精神的な辛さは距離とは関係ない
  • 練習後半は10〜13kmを意識して歩く
  • 本番では10〜13kmの点を繋ぎながらゴールをめざす

まとめ

今回は100kmを歩くための練習方法について解説しました。

100kmという距離は途方もない距離ですが練習をすればほとんどの方が歩くことが可能な距離です。

ただ、逆に言えば何の準備もせずに本番に挑んで歩けるような距離ではありません。

歩くための練習はとにかく歩くことです。

歩きながら修正、改善を繰り返して自分の歩き方を身につけて下さいね!

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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この記事を書いた人

関西在住、一男一女の父
家具作りで生計を建てつつ全力でキャンプを楽しんでいます!
キャンプ、釣り、その他アウトドア情報や、たま〜に木工情報もゆるっと発信していきます!

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