こんにちはヤスダです
今回は銅製品の表面に発生する青錆の落とし方について。
先日母の実家の軒下から青錆に覆われたやかんを発見しました。母が幼き頃からあったこのやかんはいつ頃から用途を変え隠し鍵入れとして外の軒下(のきした)に置かれるようになったそうな。そこから数十年外で過ごした元やかんをもう一度現役のやかんとして復活させるべく青錆落としに挑戦しましたよ!
この記事はこんな方におすすめ
- 青錆が発生した銅製品を持っている
- オークションなどで可愛い銅製品を見つけたけど一部に青錆が発生しているから購入を迷っている
- お気に入りの服のボタンやアクセサリーに青錆が発生してしまった
途中、いくつかの失敗もありましたが、あえてその失敗した部分もお見せしつつ成功までの道のりをそのままお伝えいたします。もしこれから青錆落としに挑戦してみようと思っている方には参考になると思いますよ!
青錆
青錆とは銅の表面に発生する錆のことで、銅青(どうせい)や録青(ろくせい)と表現されることもあります。本来、銅の表面は赤褐色の美しい色をしていますが、これを野外の雨に当たる場所で放置しておくと、酸素、炭酸ガス(二酸化炭素)、水分が作用して緑色の皮膜が生じます。この皮膜が緑青で、時がたつに従ってしだいに厚くなり20~30年で表面全体が緑色に被われるようになるとされています。一見厄介な錆だと思われがちですが青錆は銅の表面に固く付着して内部が腐食されることを防ぐ役目があり銅にとっては良性の錆です。
と思われた方はなかなかキャンプ好き!そう、スチール製の刃物を黒サビ加工して赤錆の発生を防ぐ原理と同じですね!
毒ではない
出典:一般社団法人 日本銅センター
ネットで「青錆」と調べると「青錆 毒」で検索されている方が多いことに気付きます。
日本では、昭和後期まで緑青は猛毒であると考えられ、一部の教科書や辞書類にも「猛毒である」と書かれていた時代がありました。その教育を受けた世代や、さらにその世代から教わった方にはまだまだその意識が強いと思われます。しかし、東京大学医学部教授によって昭和37年から3年がかりで動物実験が行われ、「恐ろしい猛毒という知識は間違いで、他の金属と比較して毒性は大差ない」結論ずけられました。また、昭和59年8月には、厚生省(現厚生労働省)が緑青猛毒説が間違いであることを認めています。
落とし方
落とし方についてネットで調べると、どうやらお酢と塩を混ぜ合わせた物で粗方落ちるとのこと。ただ、手本として紹介されている対象物がどれも小さい物ばかりなので、今回のような少し大きめのやかんに全体的に発生した青錆にも効果があるのか分からないので実際に試してみました。
用意した物
食塩酢1kg
食塩と酢を1:1で混ぜたもの。お酢だけでも錆を落とす効果がありますが、食塩を混ぜることでより強力な効果が得られるそうです。今回はお酢500mlに対して食塩500gの計1kgを用意。
ビニール袋 アルミトレー
食塩酢はなかなか臭いがキツいのでビニール袋にやかんと食塩酢を入れて密閉するために用意。念の為100均のアルミトレーを敷いてビニール袋に穴が空いた時の対策をします。←後に最悪な状態になります
焦げ落とし
落ち切らない錆を擦って落とすのに使います
研磨剤
最終仕上げとして磨き上げるために使います
作業スタート
1.ボウルなどにお酢と食塩を入れて混ぜ合わせます
が、お酢に等量の食塩を入れても溶けきりませんでした。おそらく酢:食塩=2:1ぐらいの割合でいいかと思います。
2.ビニール袋に食塩酢とヤカンを入れます
ビニール袋に先ほど作った食塩酢とヤカンを入れます。小さい物なら完全に漬け込むことが出来ますが、今回は少し大きい物なので浸からない部分はキッチンペーパーに食塩酢を染み込ませたものを貼り付けて出来るだけ食塩酢が接している部分を増やす作戦にしました。
3.密閉
こにまま密閉してとりあえず1日放置。
4.まさかの液漏れ
翌日、袋を二重にしたにもかかわらず食塩酢が漏れ出し、さらにアルミにトレーは溶けて穴だらけになっていました。アルミトレーに穴が空いたことでそれはそれは大変でした、、、。
5.開封
気を取り直して袋を開けてみるとキッチンペーパーが青く染まり銅らしき表情が見えています。あっけなく成功!と思いきや、、、、。
6.まだら
7.追加で用意
ボウル
アルミトレーは前回穴が空いて悲惨なことになったので、今回はステンレスのボウルを用意。
ゴム手袋
ゴム手袋は前回袋の開け閉めや、キッチンペーパーを取ったりする作業を素手で行っていると、ちょっとした指の切り傷に錆が溶け出した食塩酢が入り込んでかなり痛い思いをしまた。綺麗に洗い流しても赤く腫れ、しばらく痛みが続いた(本当に危険なので注意して下さい)ので今回はゴム手袋で完全ガード。
お酢
写真には写っていませんが500mlのお酢を2本用意。随分錆が落ちたので今回はお酢のみに漬け込む作戦。
作業スタート(2回目)
1.お酢に浸ける
ボウルにお酢2本分(1ℓ)とヤカンを入れて浮かないように重しをします今回はキッチンペーパーを使わずに完全にお酢に浸った状態を作る為、半分ずつを半日おきにひっくり返すことにしました。
2.密閉
お酢のだけなので流石にステンレスを溶かすことはないと思いますが、臭い対策のために袋で密閉。
3.焦げ落としで擦る
半日ずつ浸け込んだことである程度錆が落ちましたが、落ち切らない部分もあるので、翌日焦げ落としで擦るとだいたい落ちました
4.洗い流す
いったん水で洗い流して乾燥させる。なかなか渋くていい感じ!
5.磨く
このままでも良いのですが、どうせならもう少し綺麗にしたいのでコンパウンドで磨いてみました。
金属用の研磨剤(ピカールなど)があればそれでもokです。今回はたまたま家にコンパウンドがあったのでこれを使用。少量を古布(いらないTシャツなど)につけて磨いていきます。
6.完成
最後にコンパウンドを綺麗に拭き取れば完成。
随分綺麗になりましたね!
まとめ
青錆が発生したヤカンの錆落としに挑戦しました!
なかなか落ちにくいと思っていた青錆でしたが食塩酢に漬け込めば大体は落ちることが分かりました。
錆の度合いによっては落ち切らない部分が残ることもありますが焦げ落としなどで擦れば大体落とすことができましたよ!
仕上げに研磨剤で磨くと新品のように輝きますので必要に応じて使って下さいね!
必要なもの | |
酢 | 落とす物によって量を調整して下さい |
塩 | お酢に対して1/2程度で良いです(それ以上は溶け残りました) |
トレー | アルミは溶けるのでダメです |
ビニール袋 | 臭い漏れ防止のため密閉するのに使います |
ゴム手袋 | 切り傷などがあると非常に痛いので手を保護するのに必要です |
焦げ落とし | 落ち切らなかった錆が残った場合に擦り落とすのに使います。サンドペーパーでもokですが、あまり目の荒いものは避けましょう。 |
研磨剤 | 金属磨き用が好ましいですが、車用のコンパウンドでも代用可能です |
最後まで読んで頂きありがとうございました!
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