こんにちはヤスダです
寒さ最強選手権!
さて、今回はライターのお話。
アウトドア活動において何かとライターを使う場面はありますが、皆さんは普段どんなライターを使っておられますか?
ライターは押すなり擦るなりで当たり前のように火がつく便利アイテムですが、実は雪山や寒冷地では使えなくなる物があることをご存じでしょうか?
そこで今回は各種ライターを使って寒冷地対応実験を行なってみました。
巷の噂で強いとお聞きする商品も含めてみましたが実際どのような結果になるかは分からないのでわくわくします。
これから寒冷地や雪山でライターを使う予定のある方や、もしもの時のために知識として知っておきたい方には役にたつと思いますので是非最後まで読んでみて下さいね!
それではいってみましょう!
ライターの仕様の違い
一言にライターといっても沢山の種類がありますが、一般的に購入可能な商品の中では着火方式で分けると2種類、使用燃料で分けると3種類に分ける事ができますので、まずはそちらから解説したいと思います。
着火方式
着火方式は大きく分けてフリント式と電子式の2種類に分ける事ができます。
最近のアウトドア専用のライターは電子式が採用されていることが多いように感じますが詳細は以下で解説いたします。
フリント式
フリント式はフリントと呼ばれるフェロセリウム合金を回転式ヤスリで擦ることによって発生する火花を利用して着火する着火具のことを指しますが、ジッポライターなど歴史的にも古くから採用されている着火方式ですので知らない方はおられないかと思います。
電子式
電子式とは衝撃を与えることで高電圧を発生する「圧電素子」いうものを用いて、発生した火花放電で燃料のガスに着火させる仕組みのライターのことをさします。
なんだか難しいですが、ターボライターやチャッカマンなどカチッ!カチッ!と電撃火花が出るやつはみんな電子式と覚えといて間違いなさそうです。
例にも出しましたがチャッカマンなどのスイッチと火が出る部分が離れている構造のライターはフリント式では火花を遠くに飛ばす事が難しいので電子式が採用されるのも納得がいきます。
使用燃料
ライターに使用されている燃料の代表的な物としてガスとオイルがありますが、ガスにも2種類あることをご存知でしょうか?
キャンプに詳しい方ならご存知だとは思いますがガスには一般的に使われている事が多いブタンと寒冷地に特化したイソブタンがあります。
キャンプ用のガスバーナーに使うOD缶もよく表記を見ると何も書いてない物と寒冷地用と書いた物がありますが、寒冷地用と書いた物がイソブタンです。
厳密に言えばガスにはもう一種類プロパンもありますが、イソブタンに数%混ざっている製品があるぐらいで単体100%で使うことはないので今回は割愛させていただきます。
ガス(ブタン)
融点 | -138.5℃ |
沸点 | -0.5℃ |
一般的なカセットコンロのガスやガスラーターにはブタンが使われていることがほとんどです。
安価で手に入りやすが外気温が10℃を下回ってくると火力が低下し始める特徴があります。
ガス(イソブタン)
融点 | -159.6℃ |
沸点 | -11.7℃ |
寒冷地や雪山に特化した商品に使われることが多いので一般的には知らない人の方が多い傾向にあります。
ブタンガスと比べると割高ではありますが沸点が-11.7℃と低いので雪山でも使用が可能。
オイル
今回使用するオイルライターに使用するオイルはzippoオイルを充填しています。
zippoオイルの主成分は石油やナフサなどのヘキサン系蒸留性燃料と呼ばれる物です。
詳しいことは分かりませんがとにかく安心安定のオイルを使ってます。
今回使用するライラー
今回は4名の選手(ライター)にご参加して頂きました。
一応内容が被らないようにしましたので結果が楽しみですね。
それでは各選手の紹介です。
4本で100円のライター(フリント式/ブタン)
1本あたり25円のコスパ最強選手!
自らブタン98%であることを前面にアピールする真面目さも好印象です。
開始前から自信が無いのが少し気になりますが結果に期待したいと思います!
BICライター(フリント式/イソブタン)
フランスに拠点を置くあの文具で有名なBICからカラフルなライターに参加頂きました!
今回のダークホースとの呼び声高い彼ですがそれには理由があります。
それは寒冷地仕様のイソブタンが使われているからです。
メーカー説明は以下の通り
BIC独自の厳しいISO9994品質基準のもとに100%自動品質チェックをしています。経済的にも優れ、炎の安定性、ボディの耐火性、無臭性のガス使用、着火性、着火回数などライターメーカーとして世界中の市場でトップクラスの信頼を獲得しています。着火部分にメタルガードでより強い負荷をかけないと着火できないCR(チャイルドレジスタンス)機能を搭載。
○ニッケルメッキスチールガード ○ガス:無臭性のイソブタンガス ○ISO9994取得済 ○PSCマーク取得済
BIC ジャパン
これは期待して良いのではなでしょうか?
IMCOオイルライター(フリント式/オイル)
オイルライター代表としてIMCOさんにご参加頂きました!
私と共に数々の修羅場をくぐってきた彼は今回もやってくれると信じております。
ガス選手の中で唯一オイルとしての参加ですので結果が楽しみです!
SOTOマイクロトーチ(電子式/ブタン)
最後は日本を代表するガスメーカー新富士バーナーよりSOTOマイクロトーチさんが参戦!
言わずと知れた精鋭中の精鋭といった感じでしょか?
今回唯一の電子式で参戦ということで結果が楽しみです!
実験方法と環境
冬山で実験したかったのですが、今回は諸事情により会場を自宅の冷凍庫とさせて頂きます。
気温は-19.5といささかやり過ぎ感は否めませんが温度を上げると食品に不安が残りますのでこれでいきたいと思います。
ちなみにこの温度計は外気温と内気温が同時に測れるので何かと使えてオススメですよ!
選手には同時にタッパーに入って頂きそのまま冷凍庫で1時間耐えて頂きます。
1時間後に一人ずつ出て頂き着火テストをするという流れになります。
それでは1時間後に!
結果
なかなか期待を裏切ってくれる結果となりました!
皆さんはどんな予測をされていたでしょうか?
それでは詳しく見ていきましょう!
25円ライター
予想通りと言いましょうか、フリントからは勢いよく火花が出ますが全く火がつきせん。
もしや?と思いガスのボタンだけ押しながら耳元の近づけてみますがガスが出る音がしません!
そこで手で10秒握って温めては着火を繰り返すこと1分後、弱々しく炎を灯してくれました。
やはりブタンが原因なのでしょか?
BIC
期待大のイソブタンでしたが初動は100円ライターと同じくフリントの火花のみでガスが出る音がしません。
同様に10秒握っては着火を繰り返すこと30秒後、なんとか着火!
いくらイソブタンとはいえ、-19.5は寒過ぎたようですね。
ただ、25円ライターと比べると早く着火したことと、火力がつき始めから安定しているような気がしました。
IMCO
迷うことなく1発着火!
思わず「えっ?」と声が出てしまいましたが、何の問題もなく1発で着火してくれました。
写真をよく見て頂いたら分かりますが風防の部分がまだ凍ってますがそんなことはお構いなしの着火力!
これはなかなか衝撃の結果でした!
SOTO
日本代表SOTO選手は他のガスライター同様、初動着火ならず!
目視で放電火花は確認できるのですが、やはりガスが出てきません。
同じく10秒握り着火を繰り返して1分ほどで着火しましたが、火力弱めといった感じです。
これもまたブタンの限界なのでしょうか?
まとめ
今回はライターを4種類使って寒冷地で使えるのかを実験してみました。
寒冷地というには少し劣悪な環境での実験になりましたが結果をまとめると以下の通り。
ライターの種類 | 初動/状態 |
---|---|
4本で100円のライター(フリント式/ブタン) | ・初動着火せず。 ・1分ほど手で温めることで無事着火。 着火後も火力は弱い |
BICライター(フリント式/イソブタン) | ・初動着火せず ・30秒ほど手で温めることで無事着火 ・着火後の火力は安定しているように感じる |
IMCOオイルライター(フリント式/オイル) | ・1発着火 |
SOTOマイクロトーチ(電子式/ブタン) | ・初動着火せず ・1分ほど手で温めることで無事着火 ・着火後も火力は弱い |
当然ですがブタン、イソブタン共に沸点以上にならないと気化しないためガスが出てこない事態が起きたんだど思います。
寒さによる気圧の低下も影響しているのもかもしれませんが結果的にガスライターは極寒冷地では機能しないことが分かりました。
実験前に「電子式ライターは寒冷地では放電火花が出なくなる」というネットの情報を得ていたのでそこも確認したかったのですが、目視で放電火花を確認できたのでそこの部分に関してはネット上の誤った情報であることが分かりました。
ブタン、イソブタンに関しては手で温めることによって着火しましたので、イソブタンの沸点である-11℃以上ではもう少し結果が変わってきたかもしれませんね。
実際BICのライターは世界的にも多くの山岳ハイカーやアルピニストが持参していることで有名だよ!
そして何と言ってもオイルライターの強さを再確認できた実験でもありました。
オイルライターは燃料の残量が分からない点や風に弱いというマイナスポイントもありますが、いざという時はしっかりと仕事をしてくれるので一つは持っておきたいアイテムだと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました!
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